稲春スペシャルコンサート2014   .
 〜ボサノヴァを作った男・カルロス・ジョビンとロシアの作曲家ラフマニノフ〜

ボサノヴァの生みの親の一人と言われているブラジルを代表するミュージシャン兼作曲家、アントニオ・カルロス・ジョビン(1927.1.25〜1994.12.8)。


20世紀100年間の印税No.1といえば4人組のビートルズなのですが、これが一人あたりの印税となるとカルロス・ジョビンになるのです。
彼の代表曲「イパネマの娘」をはじめとした多くの作品は、たとえ彼の名を知らなくとも、彼の音楽を聴いたことがない人はいないでしょう。

ジョビンの音楽は、ブラジル近代音楽の父と称されるピシンギーニャやエイトル・ヴィラ=ロボスの影響を強く受けており、また、ショパンやラフマニノフなどクラシックの音楽家からの影響も大きかったといわれています。


生前、よく自宅で弾いていたといわれるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、彼のお気に入りの曲で、その曲のハーモニーが彼の作品に大きく反映されていると言われています。(ソチオリンピックでフィギュアスケートの浅田真央さんが、フリーで踊ったのはこの曲)

そこで、今回、当稲門会会員(幹事)でもあるピアニスト・曽山啓一氏により「カルロス・ジョビンとロシアの作曲家ラフマニノフ」について興味深いお話と音楽の弾き語りを交えてのコンサートが開催されました。

ゲストに女性ボーカリスト・村松藍子さんをお迎えしての楽しいコンサートとなりました


 演:

曽山啓一(ピアノ) 春日部地区稲門会会員]

ゲスト:

村松藍子(ボーカル)

 

曽山啓一さん(ピアノ)と
村松藍子さん(ボーカル)

曽山啓一さん(ピアノ)




 

     【演奏曲目】            

1.

イパネマの娘    (ボーカル) 村松藍子

作曲/カルロス・ジョビン。ポルトガル語の原詞はヴィニシウス・ジ・モライス。英語詞は、ノーマン・ギンベル。
ビートルズの「イエスタディ」等に次いで、世界中で多くカバーされたポピュラーソングの一つといわれ、ボサノヴァのナンバーとしてはもっとも著名な曲となっている。なお、イパネマとはブラジルのリオデジャネイロにある海岸のこと。

2.

コルコヴァード    (ボーカル) 村松藍子

作詞・作曲/カルロス・ジョビン。

コルコヴァード(リオ近郊の巨大なキリスト像が立つ丘)に住むシンプルな生活を夢見る男の物語。標高710メートルのこの丘は、美しく入り組んだ海岸を一望できるリオ・デ・ジャネイロの象徴。

3.

デサフィナード    (ボーカル) 村松藍子

作詞/ニュートン・メンドンサ。作曲/アントニオ・カルロス・ジョビン。「Desafinado」はポルトガル語で「音痴」または「音はずれ」という意味がある。初めて歌詞中に「ボサノヴァ」の単語が取り入れられた曲です。

4. 前奏曲ホ短調(ショパン)

ショパンの24曲の前奏曲(プレリュード)の中の一曲。

ショパンに特徴的な「単純な音型を順次進行で下げていく」メロディが少し感傷的な和声進行に乗った曲。伴奏を和音連打にして、しっとりとした雰囲気を出しています。なお、この曲はカルロス・ジョビンが"How Insensitive"というカバー曲を作ったことでも有名です。

5.

ハウ・インセンシティブ (ボーカル) 村松藍子

作詞/ヴィニシウス・ジ・モライス。作曲/アントニオ・カルロス・ジョビン

Insensitive」を辞書で引くと、「鈍感な」「無神経な」というような意味が出てきます。これは、彼もしくは彼女が、自分に愛の告白をしてくれたあの時に、自分はなぜ、あんな冷たい態度をとってしまったんだろう・・・。今あの人はもう行ってしまった・・・。でも、それならあの時、自分はどんな言葉を言えばよかったのか?というような、一つの恋の終わりとその面影を歌っています。

6. 4月のワルツ  

作曲/曽山啓一

テレビ朝日・土曜ワイド劇場「砂漠の喫茶店」挿入曲。作曲者が同ドラマにピアニスト役で出演した際に演奏した自作の曲。

7. ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)アレンジ版

ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフが作曲し初演は19011027日。そのメロディーの美しさによって、協奏曲作曲家としての名声を確立したラフマニノフの出世作となっている。発表以来、あらゆる時代を通じて常に最も人気のあるピアノ協奏曲のひとつであり、ロシアのロマン派音楽を代表する曲の一つに数えられている。今回はそのピアノ曲アレンジ版を演奏。

   






ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)を熱演する曽山さん




【出演者プロフィール】

    
   曽山啓一(作曲、ピアノ、篠笛)

6歳からピアノをはじめて約10年間クラシックピアノを習う。
ロックバンド「ばんどえんど」のピアニスト、笛吹。 芸名「せんせー」。デビューシングル「うどん」をユニバーサル・ミュージックよりリリース(しまだや「流水麺」のキャンペーンソング)
その後、さまざまなジャンルの作編曲を手掛ける。

また、テレビ朝日の土曜ワイド劇場「砂漠の喫茶店」にピアニスト役で役者デビュー。

自作のオーケストラ作品を演奏しているサースデイ・ジャズ・オーケストラで新たに開発した篠笛(黒竹製)を吹き、和楽器を使った新たな音楽に取り組んでいる。

(S57社会科学部卒業・春日部地区稲門会会員)


   村松藍子
(ボーカル)

幼少の頃からクラシックピアノを習う。大学でソウル・ジャズ・ボサノバを歌い始める。 過去にボイストレーニング(講師:渡辺克巳(KATSUMI)) で基礎を学び、 社会人ジャズオーケストラ、サルサバンドなど多様なジャンルのバンドを経て、 現在は主にジャズ・ボサノバ・ラテンをその時々の編成にて、都内バーなどで演奏活動中

       
 (中央大学大学院理工学研究科修了)


  [写真提供:小泉元さん(S44法卒)   .
 | 画面上部へ戻る |  春日部稲門会TOP |
inserted by FC2 system