◆ローマのスリ集団
娘の買い物に付き合うのも飽きたので、地下鉄に乗ってスペイン広場に行くことにしました。キップ売りの売店を出たところ、小太りのイタリアのおじさん(私もおじさんですが)が、私に「あんた日本人でしょう」と日本語で話しかけてきました。私はピサの斜塔の一件があって、「スリに気をつけろ」と娘から教育的指導を受けていた身なので、「ホラ、きた!」と警戒したことは言うまでもありません。
なんと!そのオヤジも「私も地下鉄に乗る」と言ってついて来るのです。
地下鉄のホームへの通路は長く、おまけに薄暗く、人影もまばらで「やばいなぁ」と思いつつ、会話も上の空で早足でホームへ向かいます。
地下鉄のキップ
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そして、ようやくホームに着き改札口の近くの人が沢山いるところへ並ぼうとすると、「こっちへこい」というのです。「コイツ。ホントに怪しげなやつじゃ」と、イヤイヤをするのですが、こっちへ来いというので仕方なく後方へ移動しました。一層警戒感を強めていると、そのオヤジは「人が沢山乗る乗車口はスリが多い」と、思わぬことを言うではありませんか。そして「あんたみたいな日本人が一番やられる」と。
私にはスリに狙われる要素・・・@デジカメ持って、いかにも観光客!風、そして、Aこぎれい?な風体、B日本人のオジサン(オバサン)と三拍子揃っているようです。ほめられてもねぇ。
きたない電車がホームへ入ってきました。乗車し、そのオヤジが指差す方をみると、先ほど並んだ乗車口で人が揉みあっています。車内はガラガラなのにと、不思議に思っていると「あいつらスリだ」とそのおやじさん。よく見ると4〜5人の少年が入口をバリケードにしてもみ合い状態の中で客のポケットへ手を突っ込んでいるのです。ビックリしたなもぅ。
ところで、このオジさん、数年間横浜に住んでいたそうです。
地獄で仏とはこのことでしょうか。改めてそのおやじの顔をみてみると、まぁ品の良い、人のよさそうな顔をしているではありませんか。
人の気持ちで、よい人にも悪い人にも見えてしまうものですね。反省しました。なお、ローマ三越の周辺の道路には、簡単に獲物を見つけられというわけで、日本人目当てのスリが沢山いるそうです。用心してください。 |