プラハの春音楽祭(国民劇場)   .
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 国民劇場  

国民劇場(ナショナル・シアター)
2012年春のプラハの春音楽祭で、ドヴォルジャークの8番目の歌劇「ジャコバン党員(Jackobin)」を国民劇場(ナショナル・シアター)で観てきました。

プラハは、小さな町ながら、さすがに音楽の溢れるところだけあって3つの歌劇場があります。
一番古いものは、モーツァルトの歌劇ドン・ジョバンニが初演された「①エステート劇場(1773年)」、「②国立オペラ座(1887年)」は、ドイツ語による演目が多い劇場。そして、民族運動の高まりもあってチェコ語によるオペラ専用劇場が求められて建築された「③国民劇場」があります。しかし、国民劇場は1881年に仮オープンしたものの2か月後に火災で焼失してしまい、その2年後再度市民の寄付により再開場しました。
仮オープン時と同様にチェコの国民的英雄・スメタナの歌劇「リブシェ」でこけら落とし公演が行われました。
なお、
現在の国民劇場は、チェコ語のオペラ以外にも数多くの歌劇を上演しています。



国民劇場

シャンデリア
この劇場の大きなシャンデリアもずいぶん豪華

天井画もすばらしい

内部
小ぶりな劇場ですが、内部は金色の内装がとても美しい歌劇場です。
バルコニー席が特徴的な欧州の劇場ですが、
ここも本当にすばらしいところです
舞台はそれほど大きくありません

Dvorak Jakobin 
ドボルザーク:歌劇「ジャコバン党員」作品84
 ドボルザークはオペラを11作品書いていますが、有名なのは10作目の「ルサルカ」ぐらいで、ジャコバン党員って何???、初めて聞く演目です。
巷間言われているのは、ドボルザークのオペラはイタリア物と異なり、「つかみがOK」の有名なアリアがないので一般受けしないようですね。まだ日本では上演されたことはありません。
しかし、さすがチェコでは、ドボルザークのいくつかの作品が上演されていました。

ところで、実際に見に行ってあらすじがわからないと居眠りしそうなので事前勉強?をすることにしました。
私の住んでいる地元の図書館からイルジー・ピンカス指揮 ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団(1977年)のCDを借りてきて車の中で、出かけるまで聴いていました。
30年近く前のTVバラエティー番組「欽ちゃんのどこまでやるの」の中で歌われた「めだかの兄弟」に似ている曲~「セレナードを歌いましょう」やこのほか覚えやすいメロディーがふんだんで出てくるもので楽しみに現地へ向かいました。
チケットは、日本からWEBで予約したのですが、一番良い席で950コルナ(日本円4200円)、最上階の安い席は50コルナ(約230円)なので、びっくりです。
エステート劇場でやっている観光客相手のコンサートが1200コルナなので、地元の方相手のコンサートは安いのですね。








(C)プラハ国立歌劇場

ドボルザーク:歌劇「ジャコバン党員」作品84
MO 14th May 07:00 PM  
・The National Theatre   950kc840kc50kc

ドヴォルザークの「ジャコバン党員」は1889年に初演されたオペラ。第1稿はリーグロヴァーの台本により、1887年11月から1888年11月に作曲され、1889年2月12日にプラハ国民劇場で初演された。

その後、1897年2月から12月に改訂された。この改訂では台本も、作者とその父親で有力な政治家でもあったF.L.リーゲルとによって修正されている。これが第2稿として別のB番号を与えられた。第2稿の初演は1898年6月19日、プラハ国民劇場にて初演。


登場人物

ハラソフの伯爵ヴィレーム:  退役の将軍(バス)
ボフシュ: 伯爵の息子(バリトン)
アドルフ: 伯爵の甥(バリトン)
ユリエ: ボフシュの妻(ソプラノ)
フィリップ: 伯爵の留守を預かる城代(バス)
イルジー: 若い猟場番(テノール)
ベンダ: 村の教師兼聖歌隊指揮者・作曲家(テノール)
 (ドヴォルザークの恩師アントニン・リーマンのことを思い浮かべながら書いた役だそうだ)
テリンカ: ベンダの娘(ソプラノ)
ロチンカ: 城の鍵を預かる老家政婦(アルト)

以上のほかに、混声6部の合唱が町の男女、若者たち、学校の生徒たち、楽師たち、マスケット銃を持った衛兵たち、田舎の人たちを演じ、民族舞踊を踊るバレエ団も活躍




今シーズンからの新演出ということで、思っていた感じと相当異なりました。
舞台には大きな椅子があり、開演前でもないのに子供たちが遊んでいます。すると、軽快な序曲がはじまると本格的にオペラが始まります。
全体的に子供も楽しめるようなミュージカル風で、飽きさせませんでした。日本でも公演すればよいのにと、思いました。プラハ歌劇場のみなさんで日本での公演お願いします。


【あらすじ】

フランス革命の余波に揺れるチェコの小さな村、ハラソフ伯爵・ヴィレームの息子ボフシュは危険思想のジャコバン党の党員と非難されフランスに逃れていた。
数年後、妻のユリエと密かに帰村するが、伯爵はすでに甥のアドルフを後継者に指名していたので、アドルフは自分の地位が危なくなると感じ、ボフシュを捕えて投獄してしまう。
ところで、このアドルフは、領民を苦しめるワルだったのだ。
ボフシュの妻ユリエはコトの次第を伯爵に話し、ボフシュは勘当を許され、親子は和解する。一方、アドルフと悪家老は追放されてしまう。・・・・ というもの。

                            (第1幕:42分)(第2幕:48分)(第3幕:39分)

 

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