会津で吟醸酒造り体験記2005 仕込み編 .
 仕込み編
昨年5月の田植えから約9ヶ月。待ちに待った蔵泊まり・仕込み体験の日がやってきました。
蔵泊・仕込み体験とは、昔、杜氏の人が泊まっていたという屋根裏部屋へ泊まって、さらに酒の仕込み体験ができるというものです。今回お世話になったのは約360年という歴史のある會州一酒造さんです。
めったに体験できぬものなので、修学旅行へ行く中学生のようにワクワクしながら参加しました。ワクワク・ドキドキなんて、きっとまだ私にも純真さが残っている証拠なのでしょうね。


 【開催日】  2006年2月11日(土)〜12日(土)     【場所】  會州一酒造  福島県会津若松市相生町7-17


杜氏の猪俣一徳さん(中央)
お世話になったのは會州一酒造さん。全国、東北鑑評会の常連蔵です。
会津杜氏の猪俣さんの指導で、酒造り体験がいよいよ始まります。

この時期=寒仕込みは、1月4〜5日から2月の立春までの約一ヶ月の間に仕込んだ酒を「寒造り新酒」と呼び、この冬最後の仕込みだそうです。
ところで、「自分たちのまいた種を自分たちで刈り取る」・・・あまりよいときに使う表現ではありませんが、今回ばかりは「昨年の種まきから酒の仕込み」へと[よい」意味で自分の蒔いた種を刈ることが実感できるものとなりました。

会津絵ろうそく祭り
昨年の同時期に会津の「絵ろうそく祭り」へ来ました。そして、今年も酒仕込み体験のついでに、絵ろうそく祭りを見に行ったのですが、会場である鶴ヶ城は雪が少ないように感じました。ところが、この冬の会津は昨年の12月から雪が降り、大変だったようです。

仕込み編
會州一酒造さんへの蔵泊まりは16名。男性は屋根裏部屋、ヨメを含めて女性は社長さんが引っ越し前に使っていた部屋を利用することになりました。
男性は、昔、杜氏の人たちが仕込み時期に泊まったという屋根裏部屋へ案内されました。私はもちろんのこと同宿の仙台から来たみなさんも、こんなことはめったに経験できない!と感激の面持ちでした。
屋根裏部屋は約20人近く宿泊でき、明かり窓には目張りがしてあって、外気が入り込まないようになっています。そして、ストーブがガンガン燃えているのでまったく寒くはありません。しかし、一酸化炭素中毒が怖かったので寝るときは消して寝ることにしました。

四季の里・ほろむいイチゴ事務局
のみなさん

蔵泊まり参加者の懇親会
私はヨメと数十年来の友人夫婦と参加

会津名物・小汁(こづゆ)

會州一酒造さん秘蔵の
手造り吟醸酒が
次々と振舞われました
會州一酒造さんの計らいで、夜の懇親会では馬刺し、ニシンの甘露煮などのほかに会津名物・小汁(こづゆ)が振舞われました。
そして、秘蔵の酒が次々と出されて、「これで朝食付きで1000円でよいの!」と、一同大感激でした。仙台から来られた長老(私と同世代?)は、ウマイ!と絶句しながら何度もグラスを空けておりました。(人のことは言えませんが)
参加者は仙台のみなさんが多く、楽天イーグルスのファンの青年は、去年20数回見に行って6勝18敗の戦績で、たまに勝つのがこたえられないと新しい野球の楽しみ方を教えていただきました。

そして、夜が更けて散会となり、部屋へ戻り、(枕が替わると寝れないという神経質な私も)あっという間にバクスイしたようです。

仕込み編                                             日本酒豆知識
   [資料参照] 日本酒製造工程
1.玄米→[精米]→白米

会津の酒は、主に山田錦と福島県産の夢の香が使用されており、私たちは、昨年の5月に植えた「夢の香」をもとに吟醸酒つくりをします。
この「夢の香」は大粒で、中心部の心白の割合も大きく、タンパク質が少なく、糖化されやすい特性をもっています。
そして、この米を表面の脂肪やタンパク質の層を削りとりますが、今回は吟醸酒のため約45%削り米の半分の大きさまで高精白処理がされました。


                          

2.洗米

@洗い桶の冷水の中で「15秒」間洗います。
洗い方も腕をぐるぐる回転させて、
その迫力にびっくり!

精白した原料米を洗米し、水に浸して吸水させ、麹づくりに適した保有水分を得られるよう調節します。
しかし、この作業は秒単位を争うすさまじいものです。
その後、大きな蒸し釜に入れ、蒸気を使って蒸しあげます。
蒸しあがった米は、土間に敷いたむしろの上に運んで広げ、両手でかき混ぜながら米の温度を適温まで冷まします。

A洗い桶から米をだして、次はきれいな水を放水用ホースからかけて洗米 Bストップウォッチを片手、もう一方には放水用のコックを持ち「秒」単位の時間調整をしながら作業が進みます Cきれいな水を45秒放水し洗浄
Dこれを16分15秒水に浸して吸水させ、麹づくりに適した保有水分を得られるよう調節します。 E@からの作業が続けられ青いザルから時計回りに米が水に浸されます。
16分15秒経つと順次脱水作業に入ります。
F余分な水を飛ばすために、洗濯機で脱水され、いよいよ蒸す工程へ入ります。
麹づくりに適した保有水分を得られるようにするためには、こんなことが行われていたとは知りませんでした。

3.蒸米
一方、
麹を造るために、蒸米に麹菌かける作業が行われます。(この作業は、すでに終了しておりました
「4.」へ
G約50分ほど大きなせいろで米を蒸しあげます。
蒸気が屋根伝いに上がるさまは壮観です。
H蒸しあがった米は、桶に入れられ、一、二階の広間に広げられたたくさんのムシロの上に出されます。



 5.へ
Iムシロの上に出された蒸米は45℃にもなります。これを外気の冷気に当てて冷まします。 K蔵の中は白い湯気で目の前が何も見えません。その中で蒸米の温度が8度ぐらいになるまでお米を丁寧に裏返して冷まします。

4.酒母(もと)→段仕込み→もろみ
麹づくりで最も気を使うのは温度管理。そのため密閉された麹室内で作業が行われます。 麹室内の温度は、繁殖を続ける
麹菌の発熱で35度近くなるそうです。
麹菌を蒸米にかけて麹(黄緑色)を造ります。
できあがった麹に蒸し米、酵母、水を混ぜ、撹拌して「もと(酒母)」をつくる。
この「もと(酒母)」が、日本酒の命なのです。

醪(もろみ)づくりは3段階に分けて行われることから段仕込みと呼びます。
すなわち、一日目は「初添」、翌日はお休み、三日目は二回目の仕込み(仲添え)をし、四日目に三回目の仕込み(留添え)をして仕込みは完成します。

【段仕込み】
段仕込とは、雑菌の繁殖を抑えつつ酵母の増殖を促し、もろみの温度管理をやりやすくするための独特な方法です。
麹菌の繁殖による発熱によって麹の温度が変化するので、差し込んだ温度計で点検しながら調節を行っていく。
二昼夜をかけて日夜2時間ごとに温度を確認し繁殖具合を確認する。
できあがった麹。
ほのかな香りがします。
醪(もろみ)の完成
 5.へ

5.もろみ造り


Lタンクの中は酒母(もと)のもろみが


M冷まされた米が、次々にタンクに入れられます。
N櫂(かい)を使って攪拌します。杜氏の皆さんによる攪拌は、この桶に飛び込まんばかりに体全体を使って攪拌します。やってみてわかりますが、大変な労力と技術が必要と感じました。 O私たちは、へっぴり腰でもろみの表面を撫でるようで、これじゃぁお酒が腐ってしまいますね。 P最後に、このトンボにてタンクのもろみの量を測り税務署へ届けることになります。

この日の体験はこれで終了です。

6.熟 成
醪の発酵が進むにつれて盛んに泡を出し始めます。このタンクのもろみは別室で特別管理されている大吟醸酒用のものです。
熟成されたもろみからは、泡がだんだん盛り上がり、ゆっくりとした動きを繰り返し、耳を澄ませるとかすかな音を聞く事が出来ます。モーツァルトの音楽が似合うのも本当のようです。ほのかな香りが漂い、この場所にはずぅっと居たいという気になりました。
もっとも、雑菌だらけの私が居ただけで酒が腐ってしまいそうです。
ところで、酒の仕込みの温度も、酒造りには重要なことで、昼夜問わずその管理が大変だということを痛切に感じました。

タンクの中では、1日あたりほぼ1%の割合でアルコール分が醸成されて増えつづけ20日くらいで18%位になります。
醪がタンクの中でちょうど良いアルコール分を含んだ状態に達したら、いよいよ搾りはじめることになります。



蔵元の山口社長(右から二人目)

會州一酒造のみなさん、事務局のみなさんのおかげで貴重な体験ができました。

日本酒の消費量が落ちて各蔵元さんも大変だというお話を聞き、私自身も早く生活習慣病予備軍を卒業して日本酒の消費量向上に努めたいと誓ったのは私だけだったのでしょうか?(そのようです)
會州一酒造のご家族のみなさま方には、町興しのためとはいえ郷土料理などのまかない・手配などをしていただき感謝しております。おかげさまで楽しい一日を過ごすことができました。
(作成にあたり「日本酒造組合中央会」殿のHPを参考にしました)

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